◆圧巻(あっかん) 昔、中国の科挙(かきょ:官吏登用試験)のとき、もっともよい成績の答案を、ほかの答案のいちばん上に載せたことから?ほかの巻を圧する、すなわち書物や催し物などでもっともすぐれている部分を意味することばとなったのです。
◆石に漱(くちすす)ぎ流れに枕す 晋の孫楚が山野に隠れ住み自由な生活をするのに、「石に枕し流れに漱ぐ」と言おうとして「石に漱ぎ流れに枕す」と言い間違えたのを人に指摘され?石に漱ぐのは歯を磨くため、流れに枕するのは耳を洗うためと、うまく言い逃れました?そこから、負け惜しみの強いことを意味するようになったもので、「さすが」を「流石」と書くのも、この故事にちなんでおり、「さすがにうまく言い逃れた」という意味を含んでいます?夏目漱石のペンネームはここから取ったものです。
◆いたちごっこ 「いたちごっこ」とは、いったいどのような「ごっこ」? 実はイタチのオスとメスは果てしない堂々めぐりの追いかけっこをして戯れるのです。うーん、本当のいたちごっこって、なかなかいいじゃありませんか。 ◆一蓮托生(いちれんたくしょう) 善悪にかかわらず人と運命を共にするという意味ですが、もとは、死後、極楽で同じ蓮の上にいっしょに生まれるという仏教の教えです?仏教では、浄土の仏は神聖な蓮の花の座にいるとされており、仏像も蓮の花を台座として安置されます。
◆一気呵成(いっきかせい) 「呵」は、筆に息を吹きかけること、「呵成」は息を吹きかけるだけで完成することで、もとは、文章などを一息に書き上げる意味です?
◆一炊(いっすい)の夢
盧生という若者が?邯鄲(かんたん)という町のある宿屋で不思議な枕を借りて昼寝をしたところ、良い妻を得、出世して諸侯となり富み栄え、子どもにも恵まれ八十歳を越えるまで長生きした夢を見ました。目覚めてみると?宿屋の主人があわを一炊きするほどのごく短い時間しかたっていませんでした。というわけで、栄枯盛衰のはかなさの意味に使われることばです。「邯鄲の夢」ともいいます。 ◆韋編三絶(いへんさんぜつ) 書物を繰り返し読むことで、孔子が『易経』を愛読してなめし革(=韋)のとじ紐が何度も切れたことから。
◆有頂天 もとは仏教で色界?欲界の最高所とするサンスクリット語「bhava-agra」の漢訳?これが「天の最上に登りつめる」「絶頂を極める」の意味に転じ、近世以降になって現在の意味に転じました。
◆海千山千
海に千年、山に千年住んで年をとった蛇は竜になるといわれたことに由来します. |