◆覆水(ふくすい)盆に返らず 本来は?離婚した夫婦の仲は再び元通りにはならないという意味ですが、これは次の故事にもとづきます。呂尚(のちの太公望)が若いころ、貧乏なのに働かず読書ばかりしていたので、妻馬氏が愛想をつかして離縁して去ってしまいました?後に出世して諸侯となったとき、去った妻が復縁を求めてきましたが、太公望は盆に入っている水をこぼし、その水をもとに返すことができたら願いを聞いてやろうと言って断ったというものです。 ◆冬来たりなば春遠からじ イギリスの詩人シェリーの作品『西風に寄せる賦』にあることばです。原文は、If Winter comes,can Spring be far behind? ◆洞ヶ峠を決める 日和見(ひよりみ)主義の代名詞?洞(ほら)ヶ峠は京都と大阪の間にある峠です?天正10年の山崎の合戦のとき、筒井順慶が洞ヶ峠に陣取って形勢を観望し、豊臣秀吉と明智光秀の双方に色目を使って動かなかった故事によります。 ◆満を持す もともとは、弓を十分に引き絞ってそのまま構えている、という意味です?『史記』の「漢の矢まさに尽きんとす。広すなわち士をして満を持して発するなからしむ」に由来します. ◆三日天下 明智光秀が織田信長を倒して天下を取ったのは、実際は三日ではなく十二日間でした。 ◆やはり野におけ蓮華草(れんげそう) 江戸時代中期の俳人瓢水(ひょうすい)が、遊女を身請けしようとしていた友人を諌(いさ)めるのに使ったことばです。何とも趣のある諫言だと思いませんか. |